日本
1994
クリスマス・イヴの夜、すずは相棒リュウの為にケーキを盜み、販売員に捕まってしまう。人々の嘲りと同情の視線の中、すずを助けたのは、サーカスの団長・磯貝であった。しかし彼は、身寄りのない子供たちを安く買っては、団員としてこき使っている悪黨で、すずもまたそのサーカス小屋に連れて行かれるのだった。ところが、その小屋にはすずの意地悪な叔母・京子と、その娘・真弓がいた。真弓たちのいじめに遭うすず。しかし、そんな彼女に優しく接する少女がいた。その少女の名は恵。実の兄のように慕っている稔という青年と共に、サーカスの花形である空中ブランコ乗りとして活躍している少女だ。だが、恵は生れつき心臓が弱く、練習中に倒れてしまう。そんな彼女を見て稔とすずは、稔の実の父親であるらしい、県會議員の南條に恵の手術代を借りに彼の元を訪れるが、けんもほろろに取り合ってもくれなかった。そこで、醫師・黒崎に頼むことを思いついたすずは、彼の病院へリュウを走らせ、自分は恵の代わりを務めようと、稔の指導の下、空中ブランコの練習に勵むのだった。「いそがいサーカス」の公演初日、リュウに案內されてやって來た黒崎によって恵の応急手術が行われた。恵は一命をとりとめ、すずも空中ブランコを成功させる。しかし、中央政界への進出をもくろんでいる南條にとって、自分の過去の汚點となる稔と恵は邪魔な存在。そこで、恵が入院した病院の醫師を買収して、恵を殺害した南條は、続いて稔とすずをサーカスのテントごと、事故にみせかけて焼死させようと火を放つ。だがその時、稔が昔愛した女との間に出來た子であることを知った南條は、稔を救おうとして自らの命を落としてしまう。その後、稔は別のサーカスに入団し、すずはまたリュウと共に孤獨な生活に帰っていくのだった。
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